アナザーと叙述トリック(またはコミケで寄稿したものの宣伝)
夏コミ3日目東ポ-13bでの新刊『PRANK! Vol.3 Side-A 水島精二評論集』『Side-B 水島努評論集』の「Side-B 水島努評論集」に「Another」について寄稿しています。大胆な仮説も入れてるので見てね。 https://t.co/2Gxm4jwK2f
— あんすこむたん(旧でりだん) (@deyidan) 2016年7月22日
他にもFani通2015下半期(アニメのクロスレビュー)と余白のR(今号で休刊)という同人誌に初参加しました。
宣伝は簡単にして、アナザーに話を移しましょう。(ネタバレを含みます)
アナザーという作品には、叙述トリックが使われています。
アニメにおいても完璧ではないものの、うまく処理されています。
そもそも叙述トリックって?
他のミステリートリックに比べると、争論が多いトリックでもあります。
小説でないと出来ないものが多いのも特徴です。
心理トリックの一部と定義(割と一般的)されますが、人によっては「鬼子」という言葉で表現されます。
調べるときには著者が肯定、否定どちらに見ているかで印象ががらっと変わってしまうことにも注意が必要です。
寄稿した評論の中では、どちらの立場の人も引用しました。
アニメ化する難しさ
そのまま映像化してはすぐばれる訳ですから、工夫が必要となってきます。
ツイキャスの中で羽海野渉さんが言及してた通り、
叙述トリックだったと分かる必要があるわけですから、最後まで見せる必要も出てきます。
「一人二役」のトリックはまだアニメという媒体との相性が良かった部類のものです。
ただ、アナザーではアニメというものを知っている人にとっては、
内容ではない所で、重要な部分が解けてしまうという弱点を持っています。
それが、「声」についての問題です。
演じ分けができる有名な声優にしてもらえば良かったのでは?となりますが、
役柄に比べて、不自然さで気づかれる可能性を考えると、(他の可能性も評論でも触れていますがどちらにしろ)どこまで行っても袋小路に思われます。
実は、この問題を回避したアニメもあるのですが、それについては別の機会に。
評論の中では、他にも様々な点について書いているので、見てもらえると嬉しいです。